せっかくなんで、みんなで「本屋」になりませんか?
思いがけない環境に身を置かれてしまった結果生まれた思いつきです。雑草魂。
テーマは「誰でも本屋になれる」です。書店が減少しているなら、みんなが本屋になれる仕組みを作ればいいじゃない。そんな、シンプルかつ無謀な想いから生まれました。
法律のこととかは全く考慮に入れてないし、現実問題として不可能なことも多くあるとは思います。だって現実を知ろうと思って入社したのに、知ることすら許してくれなかったんですから。まあそれはさておき。
とにかく「現実的に無理だ」という指摘は歓迎しますが、「だからこの仕組みそのものが無理だ」という否定は受け付けません。現実的に不可能なのであれば、いかにしてその現実の中で理想に近づいていくかを考えるのが道理だからです。
文章のみの説明になってしまうのでイメージがつきにくいかもしれません。僕もまだあやふやな部分が多いです。なのでなんとなくのイメージだけでも伝わってくれればいいです。具体的な部分はこれから詰めます。
まず、共有したいイメージは「誰でも本屋になれる」ということと、本屋というのは既存の書店のイメージとは少しちがう、ということ。「本屋とは人である」のイメージに近いです。
そして次のイメージは、「読者、書店員、版元、著者など本に関わる全ての人が集まり、情報を共有できるプラットフォーム的な何か」です。僕がいまここで目指す「取次」は物質的な意味での本ではなく、人や情報を取り次ぐ存在です。
なぜこのイメージが生まれたかというと、先日の一箱古本市に参加したことがひとつの理由です。僕は自分なりに限界まで練りに練ったテーマ設定と選書で臨み、32冊中28冊を売りました。そこで感じたことは、テーマを設定し選書をするための時間があれば売れる箱を作れるということ、そしてたった30冊程度の規模でも良い箱が作れるということ、でした。
それに対して今の書店現場を考えてみると、全く逆のことが起きているのではないかと思いました。時間がないからフェアやポップを練ることができない。選書もできない。毎日あまりにも多くの本が出すぎていて、「読んでほしい」と思える本を「見つけること」ができない、など。
たった30冊の、しかも新刊でもない本が、あれほど売れるのに、です。
そして先日のとあるフォロワーさんのツイートがさらなるきっかけを与えてくれました。「皆さんはコミックのフェアをどうしていますか?教えてください!」というようなツイートです。つまり、圧倒的な時間不足でひとりではフェアを企画できないのではないか、ということです。それはただの能力不足ではないか?違います。確かにスキルの上達スピードに個人差はありますし、できる人は少ない時間でもできますが、そもそもスキルアップのための時間がなければ向上は不可能です。今の書店現場にその時間があるとは思えません。
そして毎日入荷する新刊&それに伴う返品作業の洪水に飲まれてしまうため、入念な企画を作り上げることができない。あるいは作れても期間が短いから「本が入ってこないうちに」次のサイクルがスタートしてしまう。
原因をあげるとキリがないので仕組みの説明に移ります。
まずイメージして欲しいのは、最初にも書いた通り「本に関わる全ての人が集まって情報共有をする場所」であり、「誰もが本屋になれる仕組み」の2点です。
<場所>ウェブサイト(もちろん実践の場として現実世界へも展開します)
<参加者>本に関わる全ての人
<流れ>
・運営者(または任意の参加者)が軸となる本あるいはテーマを設定します
・その本(テーマ)から連想した本をウェブ上に投稿してください
・投稿された本からさらに連想した本を投稿、の繰り返しとなります(もちろん軸となる本にこだわってもいいです)
・期間は1ヶ月前後などその都度設定します
・期間内に投稿された本はそのページ内でいつでも参照可能です
・期間終了後、投稿された本の中からさらに選書して「自分のフェア」を作ってください(上限冊数あり。30冊など)
・そのフェアを実践してください
例えば
を軸となる本に設定したとします。
参加者はその本の周りに置きたい本を探して投稿してください。
例えば
さらに
といった感じです。文脈棚、的なものをみんなで作っていくイメージです。
サイトイメージ的には版元ドットコムのAPIを活用したこちらのページをイメージしてます、今のところ。
こんな感じで表紙がパッと一覧表示されると書店の棚っぽくてイメージ湧きやすいかと思いますし。
で、大事なのはここからです。実践の部分です。
書店員は自店で展開できますよね。でも今までは読む側だった人たちにも「本屋」になってもらいます。ここが肝です。
いま考えついているのは2パターン。web展開とヒトハコ展開です。
まずweb。
・投稿された選書リストの中からさらに自分で選書します
・その本を自分のwebサイト等で売ります
・注文が入ったら「版元」からお客様へと直送してもらいます
・販売手数料として一部還元されます
次にヒトハコ。
・選書は同じ
・版元→店主。版元→取次→店主。版元→取次→書店→店主などの数パターンから選択して本を入手
・リアル店舗として販売
ここまでであげたイメージは全て一例であり、理想は各々の希望に沿ってカスタマイズできることです。
とにかく僕がいまやりたいことは、本のことが好きな人が集まって情報を共有できる場所を作ることです。
いま思いつくメリットは
主に書店員にとっては
・自分では思いつかない選書が可能になる
・そもそも知らなかった本を知れる
・他人の力を借りて企画が可能(時間・スキル共に補ってもらえる)
など
「本屋」になりたい(けど今はなれてない)人にとっては
・店舗や在庫を定期的にもつ必要がない
・スキルがなくても企画可能
・自分の提案した本がフェアに組み込まれて売れていく様子が見れる(擬似本屋体験?)
など
他にも、
・企画準備の期間(選書のための1ヶ月など)があるため、発注→入荷に余裕がある(かもしれない)
・Webページ内に広告を打てる(for版元)
・品切重版未定の本が復活する可能性もある?
そして何よりも、
読者から版元まで、本に関わる全ての人がこの場所で繋がることができるのではないか、と思っています。
例えば掲示板のような場所も別で作って自由に意見(情報)交換をしてもらってもいいかもしれません。
せっかくなんで、みんなで「本屋」になりませんか?
出版不況だなんだと言われてますけど、個人的には大チャンスだと思ってるので。
もう一度言いますね。
せっかくなんで、みんなで「本屋」になりませんか?
書店が減っているなら、読者にも「本屋」になってもらえばいいじゃないか。
老若男女、揺り籠から墓場まで。日本から世界、火星あたりまで。
みんなで「本屋」になりましょう。
本屋が本を売るのではなく、本を売る人が本屋なんです。
いや、本が好きな人は本屋ですね。
なんでもいいから、皆さんの力を貸してください。皆さんが本屋です。
この現実的じゃない思いつきに対する意見や助言、どんどんください。
現実にしていきたいので。
これからもっと具体的なイメージと運用方法を固めていきます。
今日はここまで。
とりあえず僕は、いんたーねっつとうえぶさいとのことがよくわからないので勉強します。それか誰かたすけてー。